日本初公開の印象派作品が三菱一号館美術館に大集結

19世紀後半のフランスで活躍した印象派。まるで心のカメラで捉えたかのような「自然の一瞬」の光と空気感で、1世紀以上たった今でも人々を魅了し続けています。三菱一号館美術館で開催中の展覧会「イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜」には、ポスト印象派を含む日本初出展の貴重な作品が数多く展示されています。

ライトアップされた三菱一号館美術館は、とても幻想的です。

4つの章で出会う「光、自然、都市と人物」

今回の展覧会では、約50万点の文化財を所蔵するエルサレム・イスラエル博物館のコレクションから印象派やポスト印象派の名品を選りすぐり、展示しています。ゴッホやモネを含む69点の作品のうち、59点が初来日です!

第4章「人物と静物」の展示風景
第1章「水の風景と反映」の展示風景

4つの章で、水面が映し出す影像をたたえた風景、自然とともに人の営みが描き出された風景、近代都市の情景、そして肖像画と静物画が紹介されています。

ギュスターヴ・クールベ《海景色》(1869年)

「水の風景と反映」の作品を展示する第1章のエリアでは、様々な水の風景を描いた作品を鑑賞できます。時にはキラキラ輝く静かな湖、風に吹かれている荒い海の波、ロマン主義の壮大な絵画とは全く違う光や影の描き方を満喫できます。

ウジェーヌ・ブーダン《港に近づくブリケート艦》(1894年)が飾られているのは、同じ1894年に開館した三菱一号館の暖炉。
クラシックな赤煉瓦構造の美術館をまわりながら楽しむアート展は格別です!

 

「楽しい発見」と「意外な出会い」

ポール・ゴーガン《犬のいる風景》(1903年)

館内を巡りながらの印象派黎明期からポスト印象派の誕生までの芸術の旅の中で、キュレーターが隠してくれたメッセージを発見できたり、とても楽しいです。

カミーユ・ピサロ《エラにーの日没》(1890年)

例えば、師匠と弟子の絵画が向かい合わせに展示されていたり、ゴッホが1888年に描いたとされる絵画2点が並べて展示されていて、画風がずいぶん違ったりしています。

我々が思うフィンセント・ファン・ゴッホの画風らしい作品《プロヴァンスの収穫期》(1888年)
一方、隣にある《麦畑とポピー》はよりディテールが細かく、写実的で色がリアル。本当は1887年に描かれたものかもしれないという新しい見解もあるそうです。

今回の展覧会では、特にある画家が注目を浴びています。ユダヤ系で東プロイセン(現在のポーランド)生まれのレッサー・ユリィは、主にドイツで活躍しました。夜や夕暮れの暗い風景の中、どこかでピカッと光が際立つような作品が多いです。パステルカラーやビビッドなタッチで大胆に描かれた作品が多い今回の展覧会の中で、ある意味、かなり際立って目立つ存在です。

寒さと灰色の空で知られているベルリンの街中を描いた作品。レッサー・ユリィ《冬のベルリン》(1920代半ば)
濡れたアスファルトが店舗の明かりを反射するベルリンの娯楽街《夜のポツダム広場》(1920代半ば)

 

風情のあるカフェ限定デザート

銀行営業室だった空間を復元したホールの天井は高く、クラシックなウッディの内装がとてもお洒落です。

館内のミュージアムカフェ・バー「Café 1894」では、今回の展覧会のテーマにあわせた二つのタイアップメニューを楽しむことができます。

タイアップランチとタイアップデザート

今回展示されているシャルル=フランソワ・ドービニーの作品《花咲くリンゴの木》にインスパイアされたデザートをいただきました。

シャルル=フランソワ・ドービニー《花咲くリンゴの木》(1860-1862年)
バラの花びらは薄くスライスされたリンゴでできています。

ほろ苦いキャラメルゼリー、カルバドスで煮込んだ香ばしいリンゴ、濃厚なシブースト(Chiboust)とクリームチーズアイスの組み合わせは、まさに傑作です!

印象派アートを目と胃袋で堪能できる展覧会は必見!
あなたもぜひ三菱一号館美術館を訪れてください。


イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜 ― モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン

https://mimt.jp/
開催期間:2021年10月15日(金) ~ 2022年1月16日(日)

三菱一号館美術館

https://mimt.jp
東京都千代田区丸の内2-6-2
Google Maps: https://goo.gl/maps/TzWZmhJs3XwzaFoQ8
最寄り駅:東京駅、有楽町駅、大手町駅、二重橋前駅、日比谷駅
※ 駐車場は、「丸の内パークイン」をご利用ください
(周辺のショップやレストランの利用に応じた割引サービスがあります)