究極のエンターテインメント!外国人のための歌舞伎鑑賞教室体験

日本を代表する伝統芸能「歌舞伎」は、カラフルな衣裳と目を引く独特な化粧で知られている重要無形文化財です。今回は、国立劇場で開催された、外国人向けの楽しい歌舞伎鑑賞教室「Discover KABUKI」を体験してきました。私マライが歌舞伎の魅力をお伝えします!

東京で歌舞伎を鑑賞できる劇場は?

国立劇場

東京で歌舞伎を鑑賞するなら、国立劇場、歌舞伎座または新橋演舞場などの劇場があります。私が今回鑑賞した劇場「国立劇場」は、歌舞伎のほか、文楽、舞踊、邦楽なども開催されており、歌舞伎俳優など演者の育成にも力を注いでいます。また、敷地内には「伝統芸能情報館」というミュージアムもあります。(後述)

国立劇場・大劇場は広々していて、ショップやレストランもあります。

「Discover KABUKI」は、外国人のための歌舞伎鑑賞教室

「Discover KABUKI」では、英語と日本語のイヤホンガイドの無料貸し出しも行われています。公演の最中にも初心者にとってありがたい解説を聞くことができます。さらに、舞台の左右と上部にあるスクリーンに日本語と英語の字幕が表示されるので、歌舞伎の演目のストーリーが理解しやすくなります。
イヤホンガイドを受け取って、いよいよ大劇場の中へ!

イヤホンガイドは本当に助かりました!
大劇場に入って感激するマライ記者
舞台の下手(舞台に向かって左側)からまっすぐ伸びている通路「花道」。この「花道」も舞台の一部で、役者は「花道」を通って、山道、街中、または水中を移動していることなどを表現します。

観客は満員です!多くの外国人の観客が始まりを楽しみに待っています。
すると、いきなり『鬼滅の刃』のオープニング曲が劇場に流れ、素敵なサプライズに観客はざわつきました。現在流行中のアニメと同じように、実は歌舞伎にも鬼などの怖い存在と戦う場面が多いそうです。言い方を変えれば、今のアニメ作品には歌舞伎の影響を受けているものもあるのです。

*2階席から見た舞台

歌舞伎演目の上演前に、「歌舞伎のみかた」という解説がありました。英語と日本語の2つの言語で、本物の歌舞伎役者とナビゲーターが舞台の特徴、演奏、衣裳や演出についてわかりやすく解説してくれます。解説では、歌舞伎役者の中村萬太郎(なかむら まんたろう)さんがとても流暢な英語で挨拶されていたのが印象的でした。解説の時、萬太郎さんは日本語を担当し、英語の解説はフリーアナウンサーの木佐彩子さんが行っていて、ユーモラスかつ大変勉強になるプレゼンでした。

*舞台のカーテンは定式幕(じょうしきまく)と呼ばれ、黒、萌葱、柿色のストライプです。(撮影:中村彰)
*これから始まる歌舞伎の演目『紅葉狩』の登場人物の関係図付き解説はわかりやすく素敵でした。(撮影:中村彰)

歌舞伎を楽しむことができた「3つの発見」

*演目は『紅葉狩』。最後は、恐ろしい鬼女と戦う迫力あるシーンも(撮影:中村彰)

(1)歌舞伎のメイク

歌舞伎の魅力は、なんと言っても豪華で派手な演出!歌舞伎では「見た目」がすべてで、衣裳も、化粧も、小道具もキャラクターの特徴を強調させるための「記号」だそうです。女性の役を含めて、全員が男性の歌舞伎役者は自分でメイクを施し、場合によっては目の周りに赤などの線を入れます。これは「隈取(くまどり)」と言います。

様々な隈取

赤い紅隈(べにぐま)は「強さ」、青い藍隈(あいぐま)は「邪悪」、そして茶隈(ちゃぐま)は「鬼や妖怪、つまり人間以外のシンボル」。赤と青の使い方はスターウォーズとちょうど真逆で、面白いと思いました。

舞台が終わった後、歌舞伎役者が顔に布を当て、化粧を布に移す「押隈(おしぐま)」。お得意様や大切な方への歌舞伎ならではのプレゼント!

(2)歌舞伎の決めポーズ

歌舞伎の演目最中に、役者が急にスローモーションで動いたり、舞台上で全員がフリーズしたりすることがあります。これは「見得(みえ)」と言って、見た目の美しさをさらに強調させるための工夫なのです。仏像の姿を真似たのが起源だそうです。カメラでクローズアップしたような効果があります。

歌舞伎演目『紅葉狩』のフォトスポットで「見得をする」マライ記者。

ほとんどの場合、役者が「見得をする」瞬間に「ツケ」が打たれます。「ツケ板」とよばれる板に、四角柱の2本の木をリズミカルに叩きつけます。そうすることで、まるで漫画の集中線のように、「見得」のインパクトをさらに強くします。

ちなみに、昔から人気の「ヒーロー戦隊」シリーズは、歌舞伎の「見得」を効果的に取り入れているそうです。色分けされた衣裳を身に付けたレンジャーたちが一列に並び、決め台詞を叫びながら格好いいポーズをとって、一瞬フリーズするシーンは皆さんもテレビ番組で見たことがあると思いますが、あれはまさに歌舞伎の「見得」なのです。

(3)目からレーザービーム!?

「見得」をする瞬間の目の演技に「にらみ」があります。一見、歌舞伎役者が「寄り目」になっているように見えますが、あれは実は「寄り目」ではありません。片目が少しズレているのです。

これぞ、歌舞伎役者の「にらみ」!

「にらみ」は、歌舞伎役者が自身の演じているキャラクターの感情が高ぶって、ものすごく集中していることを表現しています。江戸時代には、そんな「にらみ」には厄除けの力があるとされて、役者に睨まれると、1年間病気にならないと信じられていました。

このように知れば知るほど歌舞伎が楽しくなることがたくさんあります!他にも、舞台上の三箇所に演奏者が配置されていたり、観客からは見えないという約束ごとのもとに黒い服を着たアシスタント「黒衣(くろご)」が舞台に現れたり、舞台技術も驚くべきカラクリに満ちていたりして、とにかく歌舞伎は楽しいです!

歌舞伎の楽しさがわかる「国立劇場 伝統芸能情報館」

国立劇場の敷地内には常設のミュージアム「伝統芸能情報館」があります。
歌舞伎初心者にはピッタリの展示内容になっていて、歌舞伎の基本知識を学ぶことができます。定期的に講座などのイベントも行われているので、要チェックです!

展示解説は日本語ですが、漢字にはルビがふってあり、優しい日本語になっています。

歌舞伎に興味を持っている方なら、ぜひ国立劇場の「伝統芸能情報館」を訪れてみてください!

<*写真提供:日本芸術文化振興会>


国立劇場

https://www.ntj.jac.go.jp/kokuritsu.html (日本語)
https://www.ntj.jac.go.jp/en/theatre/national_theatre/ (英語)

国立劇場 伝統芸能情報館

https://www.ntj.jac.go.jp/tradition.html

東京都千代田区隼町4-1
Google Maps: https://goo.gl/maps/QeRsDnJ6s7nefGn38
最寄駅:半蔵門駅、永田町駅